千年越しの恋物語
先日京都の閑臥庵というお寺で「夜噺の茶会」というお茶会に参加してきた。夜から深夜にかけてゆるゆると過すなんともいえない贅沢なお茶会だった。穴太積(あのうづみ)の石垣や青海波模様の白いじゃりで飾られた庭を見ながら緩やかだがどこかスッっとした気持ちの良い緊張感もある空間。
帰り際「どうぞ…」と梶(かじ)の葉を頂いた。お茶席でも表現していた日本古来からある七夕の風習だ。
『 乞巧奠 』(きっこうてん)という七夕の古来からの祀り方。
角盥(つのだらい)という平安時代に使われていた盥に水を張り、天の川をそこに映す。朱墨で願い事を書いた梶の葉を浮かべるのだという。これが江戸時代に笹の葉に短冊を下げる風習へと変わり、現代まで続いているのだ。
以前、本でこの乞巧奠の風習を読んだ事があり、梶の葉を浮かべているのを見て思わず “日本ってホント素敵な国だな…”と、古の恋物語への日本人らしいお祭りに感心する。
何故、梶の葉なのか。これは彦星が天の川を渡るときその船の舵取りを誤らないように、無事織姫と会えますようにという願いを込めて“かじ”なんだな。
とは言え、今日7月7日の七夕は雨。
自宅で大き目のプレートに水を張り梶の葉を浮かべる。あいにく空に天の川は出ていないけど、遥か昔日本人が願いを込めた彦星と織姫の物語に妻と2歳の娘と一緒に想いを馳せました。
我が娘は訳分からず「たなばた タナバタ たなぼたぁ?葉っぱさん 変だねぇ…」を連呼していた。
年に一度とは言え、平安時代から言うと千回以上会っている彦星と織姫の二人。21世紀の現代、その逢瀬でどんな会話を交わしたのだろうか…


