またアニメから
「手塚治虫ってやっぱり凄い人だね。」 隣でせんべいをかじりながら妻が珍しく漫画の世界を語った。
何がどう凄いのか…。「なになに?」と聞き返す。
アニメの『鉄腕アトム』の監督のインタビューに立ち合った時、その監督が語った事なんだけど、故人:手塚治虫 氏はいつもこんな感じのことを言っていたそうだ。
「鉄腕アトムは確かに大ヒットした。そして様々なキャラクターを生み出してきた中でアトムは人気№1になった。でも私はアトムを失敗作だと思っている。」
・・・どういうことだろう?
「様々なロボットを登場させたが、どのロボットも正義と悪の狭間で揺れ動き人間と同じ様に悩んだりしながら成長したり消えていったりした。しかしアトムだけは最初から最後まで“正義”“善なるもの”として存在させてしまった。」 手塚氏はここに後悔を残していたんだそうだ。
「う~ん、さすがだね。」思わず俺も唸る。
TVのニュースを見ていても世界はいたる所で善か悪かの二元論での視点ばかり。
善か悪か。この切り口では直ぐに限界がくる。これを伝えたいことの一つとしてメッセンジャーにアトムを生み出した手塚氏自身の自己矛盾に彼の人間らしさを感じる。
そういえば高校時代、数学の先生が俺たちに向かって「世の中絶対ってコトは一切ないんだ。絶対に!」と突っ込みを入れたくなるような熱いトークをしていたな。あの先生、元気かな・・・

